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1話からはこちらをご覧ください⇒【オーストラリア ワーキングホリデー】
シドニーで2軒目の安宿
生活が真逆の“ルームメイト”は、朝方帰って来ては、こちらが起きる頃にはベッドで爆睡していた。
3日ほど経つが会話をしたのは1度きりだった。
近くのバーでバーテンダーをしているイングランド出身の男だった。
この部屋にはもう1カ月以上も滞在してると。
始めにフロントで聞いた話通りだ。
こちらは日本の新潟県というところの出身で、今はオーストラリアとは真逆の冬であり雪がスゴイ地域だと紹介した。またオーストラリアに来てここが2軒目の宿であることも。
こちらに語学力が無いせいもあり会話はあまり続かずこんなやり取りをしたぐらい。
この宿は、キングスクロスで泊まった宿より部屋数も宿泊者も少なく
キッチンは割と空いてたので、のんびりできた。
ダーリングハーバーの夜景
この数日は、ダーリングハーバーへ行きブラブラしたり、夜まで居た日もあった。
海辺のロケーションにキラキラ輝くビル群、道幅が広く開放感がある。
通り沿いに並ぶレストランは賑わい、歩いて夜風を浴びてるだけでも心地よかった。
滞在日数も重ねて、少しは心にゆとりが出てきた。
最初の頃は、暗くなる前に宿に戻らなきゃという焦りがあったが、大体の行動パターンは決まってきて、町の雰囲気にも慣れてきている。
ワトソンズベイへ
ある日、オペラハウスやハーバーブリッジが見渡せる港にあるサーキュラーキー駅から出発するフェリーで「ワトソンズベイ(Watsons Bay)」へ行った。
たった20分で行ける気軽なデイトリップ。
海の上から、シドニーの景色が望め、門に巨大な顔がインパクト抜群のルナパークという遊園地も見えた。
爽快に駆け抜ける船の上で浴びる風も豪快だった!
「ワトソンズ ベイ」に着くと、ビーチ沿いにレストランが並び、欧米の熟年夫婦やファミリーたちで賑わっていた。
ここで、オーストラリアの名物であるフィッシュアンドチップスを初めて食べた。
値段は¥1,000くらいで、サクサクの衣で覆われた白身魚とフライドポテトが盛られたもの。
初めて食べるようであり、食べたことがありそうな食べ物だ。
このシンプルなコンビは言うまでもなく、ジャンキーで旨い。
ワトソンズベイのビーチとは反対側にある「ギャップ パーク (Gap Park) 」にも歩いて行けた。
高台から望む断崖絶壁の風景は迫力があった!
風があまりにも強すぎて、髪が言うことを聞かなかった。
穏やかなリゾートムードを味わったと思いきや、ものすごい断崖に青く広がる海に遭遇する。ギャップがある地だった。
インド人とブルーマウンテンズ
数日たったある朝、宿のキッチンでインド人の男性と話した。
彼も一人で旅をしてるらしい
まだ学生だという。
そのことに驚いた。
自分よりもずいぶん年上に見えたから。
肌の色は黒く、艶のある黒髪に、手入れのしてない黒い太眉、眼鏡をかけワイシャツのボタンを上まで締め、賢そうで、学校の先生の様な雰囲気もあった。
少し老けて見えたのは、日本人のスタイルとは違う見慣れない風貌だったからかもしれない。
彼が「明日ブルーマウンテンズに行く」と言う。
ブルーマウンテンズは世界遺産の国立公園。シドニーで行ってみたい場所の一つだ。
誠実そうであり英語が堪能な彼に付いていけば頼もしいだろう!
私も行きたい!
そう言うと、快くオッケーしてくれた。
シドニーに着いてから、初めて誰かと行く、それも大自然の中へ。
話が決まるとワクワクした。
初めての“団体行動”だ
翌朝、待ち合わせてブルーマウンテンズに向かった。
ブルーマウンテンズへは、「シドニーセントラル駅」から電車で一本、約2時間。
「カトゥーンバ駅」で下車、そこからバスに乗り、
歩いても20~30分ほどで行ける。
そこは約4000kmにもわたりユーカリの森が広がる。
見どころは、3つの砂岩が並んだ「スリーシスターズ」、
世界最古の鍾乳洞「ジェノランケーブ洞窟」。天井から垂れ下がる洞鐘乳石や地石湖などが見学できる。
3つのアトラクションにも乗った。
1つ目は傾斜面を高速で駆け抜ける「シーニック・レイルウェイ」。
遠くに広がる山々を垣間見ることができる。
乗車時間はたった2分くらいだけどスリル満点!
2つ目は、ジャミソン渓谷の谷底と頂上のあいだを行き来するロープウェイ「シーニック・ケーブルウェイ」。
最後は、ジャミソン渓谷の上空270メートルを滑るゴンドラ「シーニック・スカイウェイ」。底がガラス張りになり足元が透けて見える。
それぞれから様々なアングルで壮大なブルーマウンテンズが体感できた。
見知らぬ地で、たまたま選んだ宿で会った外国人と、このような自然の中を一緒に旅できたことは、特別な時間で良い思い出となった。
翌日、彼は別の場所へと旅立った。
シドニー最後の宿
いくみんは更に中心部の宿に移動することに。シドニーで3軒目の宿。
こちらも「backpackers(バックパッカーズ)」と宿名に付いた、旅人が集まる安宿。この類の宿はシドニーでは一泊大体¥2,000~¥3,000で泊まれた。
今度は“正真正銘の一人部屋”だった。
と言ってもマットが固めのシングルベッドが一台置かれ、ファンが付いたシンプルな部屋。
宿の下にはバーが併設され、エントランスで度々顔を合わせた同じ宿のヨーロピアンたちと飲んだりもした。
目の前の通りは、レストラン、バー、カフェ、スーパーマーケット…なんでもあり夜遅くまで明るかった。
昼間はインターネットカフェに入っては日本にいる家族とメールのやり取りをした。
ここが最後の宿だった。
“最初の街”シドニーを離れ、次の街へと旅立つ。
「さよならシドニー」
続く…
次の記事⇒【オーストラリア】「ゴールドコーストで謎の絶叫マシーンに出会う」ワーキングホリデー!バックパックの旅 第7話
これまでの記事
①【オーストラリア】ワーキングホリデー!バックパックの旅 第1話「もう止められない」 (2020年4月8日更新)
②【オーストラリア】ワーキングホリデー!バックパックの旅 第2話 旅の準備「ついにこの時が来た」 (2020年4月8日更新)
③【オーストラリア】ワーキングホリデー!バックパックの旅 第3話「シドニー着いた!」(2020年4月19日更新)
④【オーストラリア】ワーキングホリデー!バックパックの旅 第4話「家族に連絡」(2020年4月26日更新)
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